2017年 活動日誌
2017年12月31日
年の瀬…
今年の括りに何か書こうと思って既に3日。
昔はサクサクBlogって書けていていたのに、発言や行動について一考すると何も書けなくなる今日このごろです。
とりあえず、今年一年を振り返ってみます。
振り返っても書いて人に話すほどのことは無いです。
制作ディレクターに体力的な限界を感じたのが2012年。
いや、体力的ディレクターに制作の限界を感じたという方が正解か、、、笑っ
5年ほど第一線を離れてリリーフピッチャーとしてブルペン入りしています。
いつでも登板は出来るようにしていますが、本数を減らさないと無理かな。というような仕事に方法に変えました。
今年も業界に憧れるという若い人たちに、時々話をしてきました。
その中で僕も改めて考えてしまったのが、収入面とかどうなのかなどの件でした。
僕自身の経験上は、法人形態で仕事をしているので、会社の売上として入ってきます。
お金がある程度余ってる時というのはとても忙しくしているので、節税などを考える間もありませんでした。
余剰金があれば、機材や設備投資に回すことが多く、カメラ、レンズ、ライティング、編集用Macやモニタ、車両に電源と、キリがないほどお金が掛かります。
さらに新しい技術を試すための無駄遣いも非常に多いです。
あまり細かい話を書きませんでしたが、グーグルストリートビューの撮影マスターの為に機材の試行錯誤を行って、雲台&ブラケット、レンズ等の失敗はだいぶ積み重ねました。
現在は自主制作の時間はたっぷり有りますが、旅費交通費は自己負担です。
小さくともこれが年間だとけっこう掛かります。
感性が錆びつくと良い仕事が出来ないので、美味しい食材を探したり、感動的な料理店を探したいと思って食べ歩きます。
夜通し大自然の中でタイプラプス撮影をしているかと思えば、ザトウクジラの親子の空撮にドローンを飛ばしたり。
そういうことを常にしているので、自由な時間があってお金に不自由してないと見えるのかも知れません。
でも。本当にそうしたいのは何のためか?というより突っ込んだ質問が来れば、依頼制作以外で作りたいものを作る為という答えでしかありません。
お金が欲しい、お金儲けをしたい。有名になってデカイ仕事をしたい!
正直、夢見て来ましたので、人が行かない場所や安全ではない地域での取材活動などを行ってきましたが、なかなか簡単ではありませんでした。
周りはチャンスみたいなことを求めている話を期待しているみたいですが、頭抜けた才能とは常人がここまでと思う努力の範囲をさらに超えたところにあるのではないでしょうか?
自分に才能があるかどうかは誰しもわからないと思います。普通の人が費やす努力時間の何倍も費やし、それでダメかもしれません。それに気がつくまでに20年以上掛かるかもしれません。
ただ、一芸というわけではないですけど、才能というのはそんなに特別なことでも存在すると思います。
ウチの会社の場合は、多言語対応できること、海外渡航、危険地域取材、ワンマンオペなど、、、
純日本人構成ではないメンバー、器用で1人で何役かをこなせる人たちが居て、忙しく仕事を捌いていくのではなく、ふだんは沖縄のローカル企業のクリエイティブ向上に時間貢献をしているなど。
本業案件は海外ロケ制作等の条件制約があって難易度が高いものです。高いプロ意識、コンセンサスの取り方、多重に張り巡らせて事故らないこと、機材やライト選定等で絵の歩留まりが高いことなど、アタリマエのことを当たり前にするのがなかなか大変です。
この手の仕事を今までは並行して月に何本もこなしていましたが、忙しくなると監修する時間が広く浅くになってしまいます。
実際、お客さんへの見積を書く場合、時間見積りで換算しているので、手抜きではないのですが見積以上に丁寧にはできません。制作仕事は腕の良い専門家だけ集めれば良いものが出来上がるというわけでもありません。そのバランスを取るのがディレクターの手腕です。
作る人によって映像や写真の表現は、全く異なるものに仕上がります。
その表現が時代や世情にマッチしていれば売れるということになると思います。
実際、私自身も波に乗っていたときには、人の真似や表現を用いることなく独自の考え方を貫いていました。
先進性が指し示す方向とは、世の中が緩やかに向かうべき未来なのです。
映像や写真はリアルな現在の中で新製品や新サービスなどを紹介する手法ですから、面白かったり、話題ということについての説明が必要です。
Instagramでどのように支持されるのか?SNSで大きな仕掛けなどしなくとも拡散されることはどういうことかのか?
それを説明できるような材料があれば売れる人の何割かのエレメント(構成要素)にはなると思います。
残念ながら、、、僕は今、売れっ子(47ちゃいw)になりたくて仕事をしてません。
少ない本数を丁寧に仕上げる仕事。
地元ではちょっといいものを持ち込んでインフルエンス。
そういう依頼者に向いている自分になりたいと思ってます。
そう思って取り組んで、今年は沖縄ローカルの仕事が充実しました。
来年は1月1日の初日の出ロケからという幸先良いスタートです。あと数時間。
皆さん、お疲れ様でした。
2017年12月28日
カラーキャリブレーションの話
今回納品したPOPは少量印刷なのでインクジェットプリンタ出力です。
ちょうど、モニタとプリンターのキャリブレーションを実施しているところに、落合オーナーが来ました。
この手順を説明したところ、自分のパソコンからお店、自宅のプリンターで出力すると色合いが異なってしまうといいう話が。。。
パソコンは店で売ってるものを買ってきて繋ぐだけで思い通りに使えないということに一般の人はストレスを感じるというような話でした。
確かに専門的に使っていくためには色々とやることが増えます。
格安動画制作を行っているような会社さんを以前見学させて貰ったことがありますが、こういう専門行程はすべて省略、モニタはビジネスパソコン用の物を使うそうです。
TVCMやTV放送コンテンツを作ってきた立場からすると、予算や時間の限り出来る限りのベストを尽くしたいと思うのですが、Web用コンテンツが中心になってくると色々とそこらの考え方も違ってくるものですね。
カラーキャリブレーションはおよそ200時間毎にモニタ機器、プリンターの色合いの調整を行うものです。
スチール、ムービー、その他の主な用途によって色のセッティング方向は違いますが基本は同じです。
ソフトウェアがインストールしてあれば、USB接続したセンサーをモニタにぴたっとくっつけて自動実行してくれます。僕の場合、iMacとThunderbolt Displayの2台、プリンター2台を行うので、全部で20分位の作業を1ヶ月に1度くらい行ってます。
紙仕事はほとんど無くなったことと、僕自身はディレクション、自社スタジオでは写真が主な仕事なので、D50セッティング。モニタ色領域もsRGBカバーしていればいいや!ってことでこんな機材構成です。
ワークライティングも厳格に色を扱う時は5000Kのフォトスタンドで確認環境を組みますが、ふだんはこんな感じです。
2017年12月20日
少量印刷物のワークフロー
今月は特に大きな撮影も無かったので、何していたのか記憶喪失状態でした。そこでスケジュール帳を見直したりしていると、2週間以上、印刷物制作に携わっていました。
紙とフィルムの時代が終わって、仕事も僕自身がレイアウトや色校正等を行うこともなくなりました。
今回は少量印刷のPOPを撮影した素材から制作するという内容でした。
アートワークはニューヨーク在住の若手グラフィックデザイナーに依頼し、日本語と英語が混在するテーブル用POPを作成しました。
内容に日本語も入るので、レイアウトはこちらで調整して制作しました。日本ではこういう「チャンプルー」なPOPは少ないようです。
公用語が英語で、日常通用が広東語であった香港の場合、両方の言語で書かれたドキュメントはむしろ日常でした。
という訳で、今回もミックスカルチャーで、ちょっとだけいい感じに仕上げることが目標となりました。
片面は新メニューの宜野座養殖場さんの車えびをふんだんに使ったメニュー。
はい。お見合いを実施いたしました!
宜野座養殖場さんの車えびを食べられるお店が実は沖縄県内では少ないということ。
マグロほど、えびの格付けと言うか美味しい順を木にすることもなかったのですが、車えびはマグロならば本マグロ!
一番上等で美味しいものです。しかもエビの場合は養殖も天然も味の違いはわかりにくいということです。
まだ、天然モノを試せていないので、そこは大きな口は叩けません。来年、九州で天然モノを賞味してきます。
そしてそのコラボで出来上がった車えびのトマトクリームパスタは本当に絶品。
宜野座養殖場さんのレストラン珠屋では和食。外食家くじらではパスタが味わえるというほとんど個人趣味でのゴリ押しでしたが、店の看板メニューとして、売上に大きく貢献しているそうです。(*^^*)
反対面は従来からの人気メニュー。イベリコ豚の希少部位、そして新メニューを掲載。
予算の関係からこういうPOPは大きな予算を掛けられないことがほとんどですから、スキマ時間で仕上げました。
表裏ともに共通のモザイク状にした三角形のカラータイルを配置。透明化した四角形の影パーツを写真や文字にも掛かる大胆なデザイン。
手書き風のスクリーンフォントを用いてローカル感を引き出しました。
村で一番オサレなPOPが出来たさー!w
2017年12月14日
マンゴー最前線
南国フルーツ、真夏のマンゴー。
美味しく、立派に育てるのにいちばん大事な作業が今の時期です。
マンゴーの木にまんべんなく日当たりが良くなるようにするために枝の根元を外側に引っ張り、一定の高さへ揃えて行きます。
こうすることで果実は木の最上部の見えやすいところに結実しますので作業性も良くなります。
昨年、感動的に美味しかったマンゴーを味わえて、そこから長期に渡り取材を続けていますが、話を聞くだけではよくわからなかったのですが、この作業が一番大変ということです。
何が大変って、すべての枝を同じように開いていくのです。その枝の先に実がなるので、その数推定4万本!
それを手作業で3人でやっていくのです。
マンゴーの花が咲く1月下旬までに終わらせなければなりません。
なかなか大変な作業です。
こちらはAmazing Mangoのコンテンツ用に撮影しました。
Planet感が漂う〜
2017年11月27日
Googleストリートビュー
なかなか苦労が絶えず、報告が遅くなりましたが当社 Johon TienがGoogleストリートビュー認定プログラムにより、公認フォトグラファーとなりました。
写真サービスの提供者としては、高いクオリティが求められると自負し、自分たちが考える一定以上のクオリティ撮影を行うための試行錯誤が続きました。
画面解像度、撮影データの接続ずれ、足元の三脚跡など、様々な問題が撮る度に出てまいりました。
店内の撮影は常に撮影にとって好条件であるわけではありません。実際のお店の状況を変化させるわけにはいかないので、その度に起こり得る課題への対処能力が必要となります。
カメラマンとしては、通常の店内撮影や商品、お料理などの撮影と同様にクオリティが大変重要になります。
例えばガラスや鏡への映り込みが発生するケースです。魚眼レンズはC-PLフィルターが装着できないので、ワイドレンズを用いてパノラマ作成を行います。
狭く壁の角が入り組んでいる場所、飲食店の個室などではマルチストロボのシンクロ撮影が必要になります。
大きな吹き抜け空間がある建物、ライトアップされた夜景撮影など特殊な条件下でも高精細で美しいパノラマビューを作ることができるようになってからリリースをしようと考えておりました。
柔軟な機材構成、用途に応じたカメラ、レンズ選択が必要な現場。
美しく、魅力的な撮影をご提供いたします。
2017年11月3日
オープン&店内写真
新規オープンするお店にとって、ホームページや写真の整備は重要な宣伝広告手段になります。
今回はホームページでのオープン告知と共に店内の写真をアップ、Googleや食べログ等への掲載も開店日には整っているようにしました。
撮影日が11月1日、現像処理が2日、オープンが3日という流れでした。
今回は魚眼レンズでデフォルメしたおもしろ写真がワンポイントになってます。
2017年10月28日
新装オープン
いつもお世話になってるのか、お世話しているのかわからない感じでやってきた外食家くじらの落合チャンが二号店を北中城店にオープン。
もうすぐ開店なのでロケハンに行ってきました。
ロケハンとは、撮影の下見を行い、撮影方法や方向、持っていく機材を決める以外に、テーブルを動かしてセッティングするとか、ライティング調整をするとか…っておぃ!
やっぱり撮影以外のことをやるようになったとさ。w
そんなわけで、下見は30分もあれば終了するのですが、3時間近く開店準備のお手伝い。
ライティング調整については、請求書を発行できるレベル。
写真やビデオの基本ってカメラの操作とライトの調整とパソコンで仕上げる3つですから、当然に店内のライティングセットなんてのはできちゃうわけです。
そもそも僕が制作業界に入る前、建築事務所で店舗デザインをやっていてライトの調整は建築士のセンセイから教えてもらいました。
電気屋さんが付けたままの状態から、センセイがちょいちょいと調整すると、同じ空間なのに居心地がグンとアップします。
ライティングは人の心理状態や目というかなり敏感な神経が直接捉える部分になるので、柔らかく空間を包みリラックスできるように色温度とバウンス方向を調整します。
今回、北中城店はすべて間接照明で構成し、天井バウンスで光を落とすようにしました。
これによりテーブルの上のグラスやボトルの影が一方向に強く出ないので、大変居心地の良さが再現できたと思います。
撮影は仮オープン中の11月1日に開店時間より前の朝の撮影、早く閉店するので閉店後に夜の撮影を行います。
2017年10月26日
いきものさつえい
自社スタジオ建設候補地の宜野座村。
マンゴー農家さんもここにあるため、よく訪れております。
そこで気になる看板が出ていました。養殖場にレストランを併設しており、新鮮なクルマエビが食べられるレストラン球屋さん。
そのレストランを運営する宜野座養殖場さん。
行った際に運良く社長さんにお会い出来たので、養殖場を見せて戴きました。
そんな報告をこちらにアップしようかなーと思っていたら、お歳暮カタログの表紙の写真を撮って!という依頼をいただきました。
物撮りと言えば物撮りなのですが、、、
ちょっとハードルが上がるのは水を扱う撮影ということ。
セットの組み方も難しく、映り込みに注意を払う必要も多くなり、反射や拡散、収差も出やすくなります。
撮影計画では3通りのパターン撮影を考案しました。
然し、社長が即興で用意した木桶のクラッシックな写真が採用カットとなりました。
海老の取り扱いについて未熟だったために、自分が考えたカットはいまいち活き海老ということを引き出す課題に沿わないという、なんとも恥ずかしい結果になりました。クライアントさんの機転で救われたという情けなさでは有りますが、撮影カットについては問題はありませんでした。
今回は生き物について色々と学習が多く良い経験となりました。
生きている状態でのクルマエビは皿の上に上がっている状態と比べると圧倒的な美しさがあります。
透ける体から見える各器官も生きているということを感じます。
口の聞けない小さな生き物です。撮影は色々と試したのですが、ストレスを取り除いていく引き算をしていくと良い表情を見せてくれました。
危機的状況を感じるときとリラックスしている時は体の色が違います。
ドアップ!
お歳暮カタログが出来上がったら頂いてきてまた報告いたします。
そんなわけで、クルマエビを是非!
宜野座養殖場様通販サイト
2017年10月19日
Instagramのオペレーション
飲食店にとってインスタに限らず、SNS投稿はお店に重要なファクタと考える方が多いです。
実際に運用してみるとアクセス数を稼いだり、コンバージョン率を上げるのはとてもむずかしいと感じます。
キーワードやテーマも大変重要ですが、やはり撮影会社としては写真の重要さを問います。
特にInstagramは、意識することも多く、撮影工夫も必要です。定期的な投稿のためには十分な作品ストックも必要です。
そして何よりコストも重要になります。メニュー用や季節のイメージカットには多少お金を掛けても、SNS投稿用となると、それだけに投資はできないという実情です。
当方ではメニュー用の写真撮影の際に別のカメラもう1台、真上からのもう1台と2台体制で撮影します。
通常のテーブルアングルでの撮影と同時並行で撮ることができますので、撮影時間を短縮することができます。
撮影した写真はこちらの見本のように画像処理を加えて、わぁ!というようにもできますし、自然な感じでの書き出しもお好みのままです。SNSそのものの定期投稿もできますよ!
2017年9月8日
Amazing-mango.com
来年に向けての下準備として、素晴らしいマンゴーの生産農家のドキュメンタリーコンテンツを作ろうと思いました。
農家さんの方ではオンラインで受け付けるサイトもできていないので、それらも含めて構築していく予定です。
よくある生産者の顔が見えるとか、私が作りました的なコンテンツは(へそ曲がりなので)やりたくなかったので、Amazing-mango.comは完全にレポーター視点で制作します。
とりあえず、来年に向けて赤いアップルマンゴー、そして緑色のキーツマンゴーの素材撮影を行いました。
私もこの夏は、取材を通してとても素晴らしい体験を得ました。
時価で数万円のマンゴーを試食しました。他の農家さんの生産品もたくさん食べました。
廃棄扱い、出荷できないものなども食べ比べました。
目指せ!マンゴーのソムリエですね。
シーズンオフですので、あまり参考になりませんが、、、
2017年9月2日
インド・ロケ 06
今日は移動日ですが、午前中に時間があるので近くの市場でのロケをもう一本。
異国情緒あふれる市場の様子を記録という感じです。
大きな目的としてはスパイスを売っているカットが抑えられればOKという感じで。
あっさり見つかり、完了!(`・ω・´)ゞ
Webコンテンツの公開が10月25日とのことですので、公開されたらポートフォリオに追加してまたご紹介します。
2017年9月1日
インド・ロケ 05
今日は予備日として設けていた日になります。
日中は撮影データをプレビューして、コンテンツ構成や使用イメージを詰める作業に充当するということで、2時間ほどのプレビュー&カット選定を行いました。
とくにフードについては、ぶっつけで撮ったものは食事毎には撮ってますが、きちんと撮影を行った建物や風景の中に加えるとどうにもイマイチ感が強いという結果になりました。
大きな理由はポルトガル占領地だったゴアのレストランは、欧州料理でなくともレストランの照明は薄暗く白熱色が強いものだからです。
ストロボを使えば色かぶりは抑えられるものの、皿やソースの反射などはどうにも旨そうなものとは正反対になります。
実はフィルム時代から写真学校の撮影技法には疑問がありました。
先輩には逆らえない世界故か、結果が悪くなることはわかっていても、今もその方法で撮る人が圧倒的に多いと思います。
「わたし、失敗したくないんで!」
大門未知子さんほど自信たっぷりに言い切れませんが、セオリー通りに撮った結果に満足が行かないクライアントさんからの依頼も多いです。
長年疑問に思っていたのですが、大手企業の広告であれば、予算もスタッフも自由度も高いものです。
ところが、安い単価で数をこなさなくてはならない場合、標準的な方法で撮らないととても時間が掛かるということだと、最前線の現場から一歩下がって知りました。
制約が多い旅ロケの場合、バックアップ案を持つことは大変重要です。
今回は、ホテルのレストランにお願いをしてホテル内でフード撮影をするというのを入れました。
これは色んな意味で都合が良いです。
屋内での撮影許可を貰えれば、必ずしもレストラン内での撮影ではなく、プールサイドやバルコニーでの撮影ができます。
料理やドリンクはその雰囲気にあわせたものになりますが、旅行の非日常感を演出するにはぴったりです。
今回はバルコニーで撮影したカットはダイナミックな真俯瞰が撮れました。
さらにお土産ものや現地のストアで買えるスナック菓子などのブツ撮りをそのままホテル内でさせて貰いました。
2時間程度の軽い撮影でこの日は終了です。
ディレクタ姐はお疲れということで、ひとりでバックアップ候補だったビーチに行ってみることにしました。
が、出掛けに行くと言うので、業務撮影になってしまいました。笑っ
夕暮れのビーチは長期滞在客であろう欧米人、インド人の両方が居てオフシーズンにしては人が多い印象でした。メインカットに使えそうな1枚を作るために270度パノラマを撮影しておきます。D800を持ってきて本当に良かったと思うのは、高画質ゆえにトリミング切り出しが大変ラクになります。
ビーチでのパノラマ撮影は砂地の為、水平出しに気を使うものの、
土産物屋の店先、ビーチサイドのテーブルにカクテル、沈む夕陽の中、海で遊ぶ若者たちなどの素材が足し込めました。
明日は帰りがけに食料市場の撮影を行い、そのまま空港に向かい日本へ戻ります。
機中泊を含めて1週間のロケ最終日です。(`・ω・´)ゞ
2017年8月31日
インド・ロケ 04
2つ宿を変えながらの撮影となりました。
撮影日としては3日目になります。
朝8時に出発し、次の宿に向かいます。
ホテルへチェックインして荷物を預けてビーチの撮影に行きます。
今日の撮影は若かりし頃、撮影の合間の休暇で滞在したことのある場所、アンジュナビーチです。
とても懐かしく、雰囲気もあまり変わっていないアジアの原風景が広がっています。
「アンジュナ」という一言だけドライバーに伝えると、ビーチエリアとは別にカフェや露天が連なるエリアへ案内されることが多いです。
ですから、ビーチに行きたければ、きちんとビーチの入口にどこに行きたいと言わなけれんば、連れて行ってもらえません。
その賑やかなエリアを撮影し、次に砂浜の入口に車を回してもらいます。
シーズンになれば収穫を終えた畑が青空クラブに変わりトランスが流れまくります。
その砂浜の方ですが砂が黒く、インスタ映え観光にはイマイチ盛り上がりに欠ける場所であるということになりました。
お茶濁し的なカットはいくつか使うようですが、選定外となったビーチのパノラマです。
通常、景勝地はこのようにパノラマで撮っておいて、必要な分だけ切り抜いて使います。
上の写真が約180度の角度を30度ずつずらして撮影した全景となり、下の写真は16: 9比で左端を切り出したものです。
撮影時も2EVステップの3枚ブラケットで撮影していますので、現像は全部で18枚のHDR&パノラマ合成となります。
現像に用いているコンピュータは、3.5Ghz i7クワッドコアのiMac (27-inch, Late 2013) にメモリ32GBを搭載して使っています。
ひと昔前に比べるとこういう写真の現像処理は本当に楽になりました。
合成は時間があればPhotoshop CCで行います。今回の作例は、クライアントへのプレビュー用に簡易的に作ったものでLightroomで書き出しています。
空の色調も建物の黒く潰れたシャドー部も修正してませんし、ビーチにはたくさんのゴミが落ちています。
これを徐々に修正して仕上げていくことが現像作業になります。
風景レタッチの話は次の機会にゆっくりと書きます。
まずはパノラマについてです。
Photoshopは継ぎ目が目立たないところを選び、つなぎ口がぎざぎざになります。対してLightroomはスパッと一直線で繋いでいます。
風景の場合、Lightroomで特に不便を感じたことはないのですが、大きな建築構造物を分割撮影する際などはPhotoshopの方が優秀です。
Lightroomの利点はパノラマ後に収差や現像エンジンをAdobe Standardからカメラの設定へ選択を変えたりということが自在にできる点です。
年々進化するLightroomですが、やはり大画面編集に慣れていると、現地で見せるようにMacBook Proでデモをするとどうも勝手が違います。
同じくクワッドコア機ですし、ディスクはSSDですがメモリは16GBなので合成の時間が掛かります。
iMacですと、このHDRパノラマを繋ぐ演算時間は2分程度でした。MacBook Proでは5分以上掛かります。
1枚だけを書き出すのであればもちろん許容範囲ではあるのですが、撮影しホテルに戻ってどんどん現像をするのはスタジオでやる場合の倍の時間が掛かります。
RAID5バックアップも無いし、作業用SSDの容量が小さいので仮想メモリスワップも制約が出ます。
時代とともにメイン業務の内容は移り変わってますが、デジタル時代になってから、先輩世代のカメラマンから撮影データを預かって写真現像だけを担当することが多くありました。
カメラマンは撮影機材はその時点でチョイスできる最高レベルのマキシマム志向の人が多いですが、周辺アクセサリーに近いコンピュータについてはソコソコなものを使うという方がかなり多いです。
かくいう私はスピード狂、スペック主義なので、どうしてもハイスペックなコンピュータを使いたい人です。
もっとも予算限度を設定しなければ、8コアCPUを12個搭載するなどで500万円も超えてしまいます。
ここは現実的な作業時間と請負単価のバランスになる部分ですので、オーバースペックになってしまうと費用に跳ね返ります。
実際に、ブリッヂヘッドスタジオでは1台40万円目安ということに落ち着いています。
iMacは型落ちとなり、新型は64GBメモリを搭載可能ですので魅力があります。カラーキャリブレーションマッチを行ったモニタは外付となるので、インターフェイスの理由から旧型にしがみついています。
一方、持ち運び用のラップトップについてはメモリが32GB、SSDが2TB選択できるようになったら買い換えようと思ってましたがまだその域に達していません。
出張撮影で今のデスクトップ並のパワーがあれば、中長期の出張はこなしやすくなります。
ただ、CPUやメモリパワーをドーンと使うのはHDRやパノラマの合成時です。
月に数百枚の現像処理があるわけでは無ければ、そこまでのスペックは要らないと思います。
無駄にスペックが上がると電気代もかなり跳ね上がることになります。
その後、ホテルに戻ってぶっつけ交渉のフード撮影。
撮影したら、それを食べて本日の撮影が終了するということが日課となりました。
泊まっているホテルなので、まったくの飛び込みよりは話は切り出しやすかったです。
ビールを注文し、マネージャーにも勧めてみる。
仕事中だと言って100%断られるのがインド人の生真面目さを感じます。
今回の企画、クライアント、掲載内容についての話を一通りします。
また、撮影を許してくれたお店にもメリットが有るよう、後日Googleへの写真とコメントの投稿を約束します。実際、美味しい料理であったし、雰囲気や価格、お店の内装等も本当に旅行者におすすめできる無いようなので、その通りを書くつもりです。
彼らもカットを使いたいというので、写真も別途欲しいと言われました。
インドのレストラン口コミサイトがあるのでそちらに使いたいそうです。
撮影中も料理チェンジの合間などで、レストランのマネージャーとGoogleについて話しました。
最近、Googleを見て来る人は本当に増えたということです。
Google以前、旅行ってどうやってしていたのか、もう思い出せないほどに世界中何処に行っても役に立つと感じます。
前日の昼食以外は摂ってない状態で腹が鳴り出しつつ、見晴らしの良い旧要塞のレイズ・マゴスへ向かいます。
何か起こるたびに、仕事としてコケないことを祈ることと、解決できる範囲のハプニングが起きて欲しい期待感が同居します。
このレイズ・マゴス要塞でのハプニングは撮影許可に際して、持ち込みできるカメラが1台にしなくてはならないという制約がつきました。
今回のロケはAPC-C機に10-20mm、つまりフルサイズ機換算で15-30mmと、フルサイズ機に24-120mmというW装備でレンズ交換をしないで済むように組んだのですが、いきなりそこにダメ出し食らったことになりました。
それでも、今回の装備にニコン機を選んでいた一つの理由が、FXフォーマットのD800にAPS-C専用レンズであるSigma 10-20mm EX DC HSMを装着し、APS_Cサイズのクロップ撮影できることです。
ファインダー内には表示線が75%の比率で表示され、慣れないとその表示線よりもはみ出したフレーミングを行ってしまいそうになります。ライブビューで確認すれば、100%出力どおりとなるので、屋外で液晶が見にくいということを除けば、こちらでの確認が効率的だと思います。撮影枚数も少ないので、ファインダーを覗くたびにフレーミングに気をつけろ!と自分に言い聞かせ、撮影結果はすぐに確認しながら進めました。
小高い丘の上まで息を切らして登っていって、出番を想定していた24-120mmは、ちっとも使わず、最初からD7000だけ持っていけば良かったということになりました。
またはAPS-C機と24-120mmという組み合わせもあったと思いますが、行ったことのない場所の撮影というのはなかなか難しいものです。
その後、ホテルに戻ってぶっつけ交渉のフード撮影。
撮影したら、それを食べて本日の撮影が終了するということが日課となりました。
2017年8月30日
インド・ロケ 03
今日から2泊の連泊を2拠点にした撮影となります。
ロケ2日目となる今日は主だった観光地の撮影。
今回はロケ・コーディネーターも入っておらず、事前の撮影許可申請も無いので、いちいち現地事務所を訪ねてその場で撮影許可を取る必要があります。
朝イチ、歴史的建造物の古い教会群が点在するオールド・ゴア地区、午後は高台に作られたスペイン統治時代のレイズ・マゴス要塞です。
撮影全般において、屋外であっても三脚の使用が不可という厳しい条件となりました。
構図が非常に重要になる建造物の撮影で三脚が使えないのはかなり痛いです。
また、HDRフォトに仕上げたくても手持ちブラケットのズレ量が多いと不可能になりますので、その点でも厳しいです。
教会などの建築物については、元来はシフトレンズを使っての撮影が一般的でした。
今回はコストパフォマンスを重視した撮影ということで、荷物持ちのアシスタントも居ませんから、装備の限界はアファフィフオヤジの腰の限界です。(;´∀`)
何年も前からデジタルカメラの高画質化に伴い、Photoshopでの遠近法ワープを用いた画像処理での修正を行ってきているので、今回も画像修正での対応としました。
撮影する対象物である、ボンジェズ教会とセ大聖堂が本来目的の被写体なのですが、まだクライアント側でのカット選定も終わってないので載せられませんが、選定外のカットを利用した作例は後日公開したいと思います。
今回は雨天時は撮影は中止ということ、両手が塞がっていること、常に30°近い気温で蒸し暑いのでゴアテックスのレインウェアも着たくないし、荷物に含めるとそれなりの重量と大きさになるなどの理由から、にわか雨が降ったら諦めようと装備から外しました。
不幸にも、15分程度の雨にやられて雨宿り地点までの移動で多少濡れてしまいました。びしょ濡れというほどではなく、自然乾燥を待てば大したことは無い程度だったのですが、問題はそのあと。
15分程度のにわか雨の後、晴れて一気に湿度、気温が上がりました。レンズごしに地面からの水蒸気のもやが確認できるほどで、機材よりも先にクルー(私だけ)の方が蒸され、汗であっという間にびしょ濡れになりました。
ナイスだったのは、現地の観光タクシー、Tourist Vehicleのおっちゃんがナイスなガイド手腕を持っており、本来の取材場所以外でも案内をしてくれました。
その結果、計画になかった教会2つ、立派なガンジー像などを加えることができたので構成の自由度が上がりました。
こちらのカットは、とても雰囲気あるSt. Augusitne Towerという場所です。
今回の掲載選定外となった焼け落ちた教会の壁です。
個人的には、時間が許すのであれば、月夜や時間を変えた撮影で、この被写体と向き合って雰囲気ある作品を作り込みをしたい廃墟感でした。
満月に照らされたり、朝日や夕日を浴びた様子などは素晴らしいだろうと想像しながら、月次な記録撮影を10分程度行って終了となります。
海外ロケのアレンジ経験はなく、はじめてのことですから若い業界の人は楽しいと思います。
その場で、20代のバックパッカースタイルのようなことで見たもの、感じたものを!
というように撮影をしたいという希望ですが、撮影は手順組み立ての技術職のようなものです。
また、事前の撮影許可を得ていないので、それもぶっつけ本番です。
行って断られると構成全体が変更になります。
今回起こったことが、何事も予想していた範囲でこちらで結果はわかっていても、相手はわからないわけです。
しかも失敗から学ぶ、チャレンジ精神、常にポジティブに行こうというIT業界ですから、どんなロケでも過度な不安症候群の撮影業界とは真逆の精神です。
それでも、時代が変わり、媒体が紙やテレビからインターネット中心になり、コンピュータがスマートフォンへと、常に時代は変化していますので、その適応力が求められます。
反射神経が求められるので、事前に失敗がわかっていても、結果を見てもらわないとわからないので失敗します。
ランチタイム、ディナータイムに食べるついでに撮影をブッキングしようとするフード撮影など不可能に近いです。
そしてジャーナル写真がクルーに負担をかけるのは、食事を食事時に取れないことです。
撮るのが優先になりますから、少し混雑を避けた時間、店に協力をして貰って、隅の方にストロボセットを組んで20〜30分で終了します。
海外へ持っていくストロボセットは、モノブロックストロボだと電圧が合わないし乗り換え等で壊したら嫌だなーといつも思っていました。
今回の撮影用に良い方法はないかと思って組んだのが、ストロボブラケットを利用し複数のクリップオンストロボをスレーブ発光させるセットを組んでみようと思いました。
店内の情景を自然に表現するため、店内の環境光とのミックス光での撮影になりますが、最近はストロボよりも常光灯を用いて細かくライティングポジションを作る方が慣れていましたし、そちらのほうがやはり仕上りが好みです。
より良い結果を得る方法を知ってしまうと、その七掛け、八掛けの結果となる旧来の方法で撮影するのはなんだかクライアントにも申し訳ない気がします。
今回は私達のクルーは予算上1名、条件は撮影現場を仕切って、撮影できて、英語ができてということ。そして一人で持っていけるすべての荷物の重量は30kg以内という制約条件です。
Instagramが流行っていて、インスタ女子がもてはやされ、プロなら楽勝でそういう写真が撮れるでしょう!と思われがちですが、、、
インスタ女子すげえや!って思うこと多々ありますよ。
デジタル一眼やGoProなどを使えば、機材の差はありません。
編集ソフトも印刷しなければ大きな差はありません。
アングルや背景については、逆に参考になることが多いと思います。
彼女たちの作品を見れば見るほど、その場の思いつきで撮ってないというのは、同じくカメラを扱う人間としてよくわかります。撮影は絵画を描く絵心も要らないし、陶芸作家のような天賦の才も要らないです。
もちろん、アートワークに精通している人が撮れば、それは素晴らしく芸術的な作品が作れると思います。
アマチュアの方も然りです。自分の得意な分野であればプロよりも上手な人はたくさんいます。
広告撮影の場合とは色々と勝手が違いますが、私個人としては広告っぽい写真よりもインスタっぽい写真の方が興味が湧く仕事です。
フード撮影をストロボでバチッとそれ風に撮るのは単なる作業です。
逆にライティングもアングルもセオリーを破り、型にはまらないけどいいSNS向きな1枚を依頼者に喜んでもらえるとこちらも楽しくなります。(・∀・)
2017年8月29日
インド・ロケ 02
想像を絶するネット回線の遅さで、コンピュータのブラウザを経由した接続が絶望的だったインドロケ。
その為、帰国してからの投稿となりました。
実質撮影1日目の始まりです。
8時から9時ごろにかけての土砂降りの雨は撮影の絶望を誘うほど、かなりの大降りでした。
スタート1時間の遅れを取り戻すため、市街地の撮影は早足が小走りになり、やがて駆け足移動になり、少しでも移動時間を詰めるなどで対処です。
途中、少し涼しい風が吹いてくると、また雨が激しく降るのではないかと不安になります。
沖縄にいると本当に歩かなくなり、リッチに蓄えたニクが揺れる。重いよ俺。(;´∀`)
街のサイズがわからない為、歴史的建造物、運河沿いの風景、そして町中のスナップショット、青空市場と、ロケ車両無しですべての機材を手持ちで動きまわり、装備10kgを持っての歩行距離は後のGPSで確認したら8kmでした。登山をやっていた頃ならなんでもない重量であったのですが歳を取ったと感じました。
観光地ではタクシーを拾って近距離を移動しながら撮影するということは難しい場合があります。
地元のドライバーにすれば、1km、2km程度の客は乗せたくないということなのでしょう。
オーケーオーケー、ユーキャンウォーク!という地元のタクシードライバーの言葉を信じて、8kmほどを10kg以上の機材を手持ちのまま歩きました。
タクシードライバーや地元の人など、実際に歩いたことがあるはずは無いと思ったほうがいいです。
彼らはその距離は車でしか行ったことがないので、メイビーファイブミニッツは1時間の徒歩となりますので注意が必要です。
2017年8月28日
インド・ロケ 01
昨年、香港から沖縄に越して来て以来、ずっと沖縄本島を出ていませんでした。
その期間はまもなく1年半になります。
自分でもけっこうびっくりしたのですが、日本国外からの移住だったため、何かとやることが多く、時間ばかりが過ぎてしまいました。
海外ロケ関係の依頼は、昨年も今年もチャンスが有ったのですが、タイミングが悪く沖縄を離れることができない時期に重なっていました。
いつもたいして忙しくもないくせに、1ヶ月1本くらいしか活動報告という名のブログを書いていなかったので、今回はロケ順に従って少し記事を書いていきたいと思います。
現在、成田空港からインドのムンバイへ向かう機内で書いています。
今回のロケのクライアントはとある日系航空会社さん。
具体的なコンテンツ内容については、リリース前ですのでコメントできませんが、ディレクタとカメラマンの2名体制でスチール40カットの納品です。
最近のコンテンツらしく、1:1比の真四角のカットと16:9比の指定があります。
いずれのサイズも3:2で撮影してトリミング想定が必要になります。
16:9へのトリミングはだいぶ慣れましたが、1:1は油断すると被写体を画面に大きく取り込みすぎてしまいますので、撮影計画書には留意点を赤字で書き込んでおきます。
また、Webコンテンツで利用の場合に多いのは、文字を入れるための余白考慮などの要求もあります。
従来の紙メディア用の撮影、TV放送やCM用の映像が従来分野でしたが、そういう仕事が減る一方でWeb用の写真やYouTubeなどへ掲載する動画の制作が増えてきました。
本日の道すがらのお話は機材についてです。
条件が限られたロケでの機材選定はかなり悩みます。
撮影の計画を詰めていかないと、機材が決まりません。
今回のロケでチョイスしたカメラ本体は2台。どちらもニコン機です。
フルサイズのD800とAPS-CのD7000。
レンズはD800がAF-S 24-120mm f:4 G VR、AF-S Micro 60mm f:2.8 G、D7000にはSIGMA 10-20mm f:3.5です。
これに三脚1組、クリップストロボ4灯+アンブレラ+スタンドです。
クリップストロボの多灯にした理由はモノブロックストロボだと電源電圧が合わない、運搬移動が多いので、ペリカンケース込みで7kgくらいで収まるからです。
Web用の写真は解像度が優先的重要度ではないことが多いので、移動を繰り返すロケの機動力を考えると軽いボディのAPS-Cは理想的です。
一瞬、メイン機をD7000にして、サブ機をソニー NEX-5にしようかと思いました。
NEX-5は荷物を大幅に減らせられる素晴らしい機動力は今も最高のAPS-C機で大好きな機材でしたが、今回はD7000が風景担当、D800は高画質を活かして高解像度の切り出しができるのでこの組み合わせになりました。レンズは24-70mmだとやや足りない。かと言って70-200mmは出番はほぼ無い想定でしたので、24-120mmにしました。ワイド側、テレ側それぞれで歪みの大きなレンズですが、デジタル補正でほとんど問題なく使えます。
制作事例ですが、風景等のメインビジュアル要求のカットについては3F ブラケットで180度パノラマ写真を作っておいて、そこから必要な画角を切り出します。
元の撮影データで言えば、APS-Cとフルサイズでは精細さも解像度も大きく違うのですが、Webの場合ですと使用するカットはファイルサイズの制約があるため実際の掲載サイズでの画質の差はほとんどありません。
納品用のRAW現像は後日になりますが、Webデザインが並行して進んでいるため、現地から東京のデザインチームへ仮当て用のJPEGは撮影当日に送信します。
デジタルワークフローになってから、コンピュータも持ち歩く必要があります。
ビジネスで渡航しているのだから、ラップトップ・コンピュータくらい持っていくのは当たり前ではあるのですが、MacBook Pro Retina 15”は2kgを超え、ACアダプタも大きいのでやや負担が大きいです。
撮影用のコンピュータについては撮影会社、カメラマンによって考え方はまちまちです。
ロケ用では13インチサイズのコンピュータでやっている人の方が多いと思います。
15インチである理由はマルチタスクに強いクワッドコア機であることです。
今回の当て用データはカメラ書き出しのJPEGを東京に送信しますが、イメージを掴んでもらうためには風景は2EV枚3枚で30度づつ画角を換えた18枚合成のHDRパノラマを作成するとします。
このような処理は二度手間にはしたくないので、RAW現像からプロセスし、JPEG書き出しとDNGの2つを保管しておくという想定です。
また、合間の時間では、他の撮影案件のRAW現像をやろうと思ってましてファイルを持ってきています。
そうすると、それなりの処理速度が欲しいので、Core i7(2.6GHz)、メモリ16GB、グラフィックボードも搭載したコンピュータが最適です。
以前は日ごと進化が大きく、2年もすれば別物のように成長してきたマシンスペックについても、5年落ちのrMBP15でなんの不満もありません。
メインマシンとして使用するわけでは無いので、当面はこのスペックで十分かと思います。
買い替えも考えましたが、液晶がブラック・アウトしてしまうリコールプログラムの対象機であったので、液晶ユニットは交換になりました。また、SDカードの認識が弱くて何度か抜き差しを必要としたのですが、これもロジックボードの不良があって交換してもらいました。
さらに追加で冷却ファン、バッテリー、キーボードの交換を依頼したので、リフレッシュ状態になったのでまだしばらく使えそうです。
けっこうな重装備となりましたが、これで撮影4日と移動3日のちょうど1週間の旅となります。
2017年8月26日
世界標準
田舎暮らしをしているとブレてしまうことが多いので、時折都会で感性をリセットする必要を感じます。
田舎で商売やってると、どうしても俺流我流に苦しみます。俺流我流でやられている方はそのとおりにやられればいいと思います。
但し、サービサー(業としてサービスを提供する側)ができることは、世界統一標準や一般行動動向、心理学などに基づいて、より多くのエンドユーザーの利便性や問題解決に務めることですので、俺が良いと思うものをお前つくれってことは難しいです。
その一つがユニバーサルデザインです。
例えば、先進国はどこの国に行っても、交通標識や駅構内の案内、町中の標識の造りなど、奇抜で独創的なものではなく、誰が見ても視認性に優れたものになっています。
初めて行く場所があるとします。
電車でも車でも結構です。
その際にはスマートフォンやカーナビなどのGPSを使いつつも交差点の名前を確認したり、地図上にある目印のコンビニや郵便局を実地と相互に確認することも行います。
こうして目的の場所につくと、軽い緊張がほぐれますね。
同様に、来店したお客様に対しては、同じようなことが起こっています。
常連客であれば、いつも頼むもの、今日食べたいものを選ぶのは難しくありません。
ところが、初めて来た人からすると、見やすいメニュー構成と説明、写真も入れるなど、脳内で情報処理を十分に行うことで、出てきた料理が目的地への到着同様、安堵の表情でいただくことができます。
今、観光客は100%スマホを持っている前提でのサービスを考えて良いのではないでしょうか?
それでもご高齢で苦手な方もいます。スマートフォンの無いお客様を標準に考える方が良いでしょうか?
標準の設定は多い方に合わせたほうがよろしいと思います。
ご高齢の方のために大きな文字で紙いっぱいに書かれたメニュー等、健常者には読みにくいだけです。
ですから、そこがサービスポリシーだとすれば そういう方のためのメニューを別に用意すべきです。
俺流我流の注文に答えられず、お仕事をお断りするケースは多いです。
その理由は集客にも繋がらないし、多くの人の助けにならないからです。
非常に難しい問題ではあるのですが、BtoBの場合、お金を払うお客さんのいうことを聞くのが仕事ではなく、その先のC(コンシューマ)つまり、エンドユーザー(消費者)のためになるかどうかが大切です。
その消費者の利益とは、経済的、時間的な損失が少ないこと。
もっとシンプルに言えば、ひと目で認識できて、期待と現実にギャップが無いこと、ないしは良い方に驚き(サプライズ)があることだと思います。
世界標準であることは、一定の安心感を生むということになりますね。
2017年7月26日
先月からGoogleも引き続きやっています。
知らなかっただけですが、色々と発見もありこと観光地の集客には大変役に立つことがわかってきました。
写真という1つのメディアのデジタル活用範囲の拡大を感じます。
同様に今更ながらInstagramに挑戦しました。
過去にアカウントは作成したもののめんどくさくて挫折していたものです。
日々、作品を撮りためているものの用途により現像処理もレタッチも方向性が変わるので漠然とホームページへのアップロードはモチベーションが続きません。
ビジネスでソーシャルメディアを活用したいと考えているものの本業ではない範囲で定期的なアップロードもけっこう挫折することは多いと思います。
また、インスタ風の写真というオーダーをプロカメラマンに出したところで、基礎的、技術的な理解とともに、ユーザーに何がウケているのか?、フォロワーが多いユーザーの写真とは?などの理解も必要ということにすぐに行き詰まりました。
そういうことで、インスタ仕事が増えています。
撮影そのものは通常のカメラワークで行います。来月は久々にロケです。インスタ仕事で海外ロケです。笑
高精細なRAWデータをAdobe Lightroomを中心にHDR処理やエフェクト処理など専用のソフトウェアで行います。
特徴的な1:1の真四角、アートフィルター加工など試行錯誤です。
毎日、進化を感じるので、多分1年後には自分の作品を削除したくなると思います。
インスタをもっと頑張りたいなーなんてニーズがあればお気軽にご相談下さい。
中小企業や個人経営のお店にはもっと取り組んでもらいたいと思っています。
2017年6月30日
Googleの集客力ってスゴい!
僅かながらこのページを見に来てくださる方がいます。
せっかくなので、もう少し活動情報をアップしたいと思ってはいるものの、それほどお見せできるものを量産していない現状でもあります。
6月は主にGoogleの研究をしていました。
観光地である沖縄の情報収集に、Googleを使うのではないかな?という想定&実験です。
先月書いたように、外食家 くじらで頼まれたから撮った的な写真に続いて、近所で新装開店した洋菓子店さんがあったので、ケーキやプリンなどをGoogle Mapsにアップしました。
コメントは日本語と英語で掲載し、それを見て、外国人観光客が早速来てくれました。
お店はGoogleビジネスというアカウントを無料で取得することで、Google Mapsへ営業時間や定休日を掲載することもできます。
これがかなり優秀な集客ツールになります。
ということがわかってきたので、くじらの店内写真を載せてみました。
これがですね。
毎日数千PV上がるんですよ!
ひとつわかったのは投稿の99%は主に料理の写真です。
オフィシャルな内装写真をGoogleには載せてません。
先日の料理の写真も見られてはいます。
だけどたくさんの投稿に料理の写真は埋もれちゃうんですよね。
レビューして投稿してくれている人たちはお店の雰囲気をけっこう細かく投稿していました。
にも関わらず、お店の内装の写真はあまり無いんですよね。
だからお店の写真を数枚投稿したところ、毎日数千PV集まります!
お店選びについては、男性よりも女性に決定権がある場合が多いです。
これは男性が選ぶ場合でも、彼女が気に入りそうなお店を探すので、やはり女性に決定権があるのです。
「かわいい」という雰囲気はなんにしても込めておかない。
そういうことからインスタグラムやSNSウケしそうな、、、という作風を作ろうと思いました。
これがですね。
さらにさらに面白いことになりました!
写真専門学校の先生、Adobeのトレーナー、プロカメラマンには全力で拒否されました!
スマホで撮ったの?
なにこれ?シロウトの写真?
それはまるで、、、ロックが好きな人がアイドルを拒否する感覚だ!笑っ
似たような話はいくらでもあります。
料理の写真の色温度は5200K、リアストロボで手前に影を落とす。
という昭和レトロな撮り方を未だしている人たちが実に多い。
口コミサイトの写真は全部そうなってます。
僕は店の雰囲気ってミックス光だし、肉ならもっと波長短くてもいいし。
みたいに思います。
というか、オーナーさんの好みによるところであって、評論家の意見が正解ではないってだけです。
2017年5月17日
ものごとは必要性というモノサシで計らない。。。
先月アップした外食屋 くじらの写真ですが、こちらの写真はGoogle Mapsにも掲載してます。
Googleさんから1週間に1,697回表示というメールが届きました。
この回数スゴいのかな?って思ってググってみました。
単に表示回数を稼ぐだけでしたら、公共性が高いものや東京の駅や交差点の写真をアップすれば数十万回とか行くみたいです。
当然ながら、それがやりたいことではないです。
話変わって先週、くじらの落合チャンと話していたら飲食店はホームページは不要ってことを言ってました。
理由はぐるなびや食べログ、ホットペッパーなどで集客できるので、わざわざ金を掛けて管理が面倒なものを所有する必要はない。。。ってことでした。
いつもながら、100%意見が合わない!笑っ
そうじゃなくて、前述の表示回数のお話と関係があります。
飲食店のホームページ自体の「必要性」で言えば、その通りでもあると思います。
だけど、ITって必要、不要で測るモノじゃないと思ってます。
僕自身は多くの人が無用なもの…にお金を掛ける人…( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
例えば無駄にスペックの高いMacとか、撮影機材一式は乗っているクルマより高いとか…
一線を退いたとはいえ、臨戦態勢の機材や仕事の環境は手放せません。
個人の生活においても、とあるガンダム・ゲームに廃課金していることなど、誰かに理解を求めるのは不可能なレベルです。
先月の料理の写真で言えば、旨そうに見えること、料理を見て食べに行きたいという直感的な一目惚れをつくること。お店の写真で言えば、HDRエフェクトにより、誰かとテーブルに着いて談笑する様を想像できること。
こういう、写真の持つアート的な説得力を載せとけ!ってことが価値だと思ってます。
FacebookをはじめとしたSNSやBlogでアクセスを集めたら…というやり方もあると思います。
多くの場合、それらは記事を通じてオーナーさんやスタッフの人間性や日常のスライスを掲載していると思います。
写真もスナップショットがほとんどです。
スナップショットとビューティーショットは全く意味が違うものです。
広告写真と同じ原理です。
・安易に手が届けないレベルでのアウトプット(作品として)
・誰かが役立つ情報と思うレベル(広告効果)
・デジタル処理に主眼を置いたアートワーク(脳や心の刺激)
訪れていない人が訪れるきっかけになることが写真の役割で、それをコントロールできる場所がホームページということかな?
というのがコンテンツ屋の意見です。(・∀・)
2017年4月25日
リーン♪リーン♪電話が掛かってきました。
行きつけのレストラン。
外食屋 くじらのオーナー、落合チャン。
「今からぐるなびの再掲載用の写真撮影あるんだけど、その写真素材貰えないから撮って!」
えーっと。サツケイもラフコンテも無しですか。。。
きちんとしたライティングも無理だし、何しろシフトレンズが手元にない状態。
手頃なAPS-Cにマクロ40mm、フォトライト一灯持って30分後に行ってきました。
撮影後の料理は食べていいよ!
マジですか!感動です!
この時点でゴールデンウィーク10日間フルでレタッチ作業をすることなどぶっ飛んでいます。
それでこの写真、どう使いたいの?
どういう風にしたいの?
落合チャン「かわいいの」「おいしそうなの」
了解!(;´∀`)
ドリンクは聞いてないのに出てきたんですけどね。
飲んでいいよ!
そういう問題じゃなくて、ライティングの問題。。。
レタッチ限界。ギブアップですが、このくらいはPhotoshopでやれます。
今回の無茶振り、ラフオーダーに関しての納品データは152ショットになりました。
今回は店内で印刷するメニューやPOPに使用するということで、きちんとレタッチ仕上げをしたのは12枚です。
主にAdobe PhotoshopとLightroomで処理しています。
米軍関係のお客さんも多いので、全体のトーン&マナーはアメリカのファミレス調の処理。
WB、トーンカーブ、シャドー部のシャープ、コントラスト調整、スポッティング、一部HDR処理などでざっくりこんな感じです。
ちなみにこれは仕事ではなくて、完全に友情出演ならぬ友情撮影です。
同じテーブルのHDRエフェクト別処理作例です。
PhotoshopやLightroomはかなり優秀な合成をします。
合成後のデータのスポッティングをしても画像も荒れず優秀です。
シャギーっぽい処理やソフトフォーカスはAurora HDR PROです。
このソフトウェアは独自の世界を作れるのですが、オートでは色空間が破綻してしまうので手動調整が必須です。
2017年3月15日
沖縄の春は天気が安定しません。
晴れても風が強く、ドローンを上げられない日が多いなか、待ちきれずに広いエリアでスチール中心の撮影を行いました。
中頭郡読谷村にてバッテリー3本分、3箇所での撮影を行いました。
風に煽られ、殆どのショットの水平線が左下がりになってます。
ドローンには風力センサーが付いていませんので、この角度を見ながら風の強さを判断します。
あまり風が強いとドローンをホームポイントに戻せなくなることがあります。
2017年2月14日
友人がカイトサーフィンをしているので、ムービー撮ろうよ!なんて話からロケハンに行ってきました。
ドローンをこう飛ばして!
超望遠でジャンプの瞬間とか!
ロックな音楽とか編集で付けて!
かなり塩被るのは覚悟しないとなりません。
流されないドローンが必要です。
35mmフルに400mm以上の望遠必要ですが持ってません。
いきなり機材で挫けました。
編集と音楽はなんとかなりますが。。。
というわけでお蔵入りしております。
2017年1月31日
うるま市宮城島へロケハン。
美しい海、空。白い砂浜。
TVCM等に使えそうな小さなビーチを探しています。